歯質が減っていくトゥースウェア

歯質が徐々になくなっていく!?トゥースウェアとは

トゥースウェア

虫歯による脱灰ではなく、咬むことによって生じる咬耗や摩耗、その他原因によって歯の硬組織が長期間かけて徐々に消失することをトゥースウェアと呼んでいます。このような歯の硬組織の崩壊が近年注目を浴びており、虫歯、歯周病について第3の歯科疾患として位置づける必要があるという意見も出ています。

あなたもすトゥースウェアかも!?トゥースウェアの種類

トゥースウェアの種類

現在、トゥースウェアに明確な定義はありませんが、下記4つが主にあげられると考えます。

①咬耗

歯と歯の接触によって生じるトゥースウェアであり、日常的に徐々に進行し、避けることはできません。かといって正常な範囲での咬耗が問題になることはなく、過度に歯をカチカチしたり、食いしばり・歯ぎしり(ブラキシズム)などによる咬耗がトゥースウェアの原因となります。

TCH(Tooth Contact Habit)という習癖においては、1日に20分以上、上下の歯を接触させたり強く咬んでいる状態と定義され、咬耗による歯質の減少が問題になっています。

②酸によって起こるもの

トゥースウェアの原因の中でもっとも重要なのが、酸によるものです。飲食物や胃酸(胃食道逆流症=逆流性食道炎)によって歯質が溶ける(酸蝕歯)のです。柑橘系などのフルーツや飲料、スポーツドリンクの飲み過ぎ、ビタミンC製剤の服用、酒やワインなどの過剰な飲酒、温泉水を常飲する飲泉者など、習慣的に歯が酸に接触する頻度が高い、もしくは時間が長い人は注意が必要です。また、口腔が乾きやすい口腔乾燥症の方も口内が酸性になりやすいので注意が必要です。

③摩耗

強い歯磨きによる摩耗によるものです。酸蝕歯によって歯質が弱くなっているところに強いブラッシングを行うことで摩耗が進んだり、プラークが付着し軽度の脱灰が起こり歯質が軟化したところに、また強いブラッシングを行ったりすることで摩耗が進みます。多くは犬歯から小臼歯の唇側の面で起こることが多いです。

④食いしばりなどによるもの(アブフラクション)

咬むことによって発生する応力が歯の生え際(歯と歯茎の境目)の部分(歯頸部)に集中することで、その部分に微小な亀裂が発生し、その後、破折を繰り返しながら欠損が拡大していきます。特に、摩耗やアブフラクションにより歯頸部に生じた欠損で、明確な虫歯が認められないものについては、NCCL(Non Carious Cervical Lesion:非う蝕性歯頸部欠損)という呼び方が普及しています。

どうやって治すの?トゥースウェアの治療法

トゥースウェア

変化した歯の形態自体は、ダイレクトボンディングや被せ物治療などで修復することができますが、トゥースウェア改善に限っては、様々な治療が必要になることが多いです。具体的には下記4点が主な治療法となります。歯科領域だけでなく、消化器内科、メンタルクリニックなどとの連携が必要になる場合があります。

①生活習慣の指導と改善

②歯磨き粉の選択を含めた歯磨き指導

③就寝のマウスピース使用(ナイトガード)

④胃食道逆流症(=逆流性食道炎)の治療

⑤メンタルヘルスの正常化

トゥースウェアの予防法

トゥースウェアの予防法

上記5点について気をつけていただきながら、歯科医院でのフッ素塗布などによる歯面強化、再石灰化促進治療などを受けること、また、再石灰化に有効な成分を含む歯磨きをご自宅で使用していただくなどを推奨しています。

歯磨きは食事すぐにはしないでください

お食事によって歯の表面が酸性の飲食物により脱灰され軟化した歯の表面が、歯磨きによる摩耗で消失することで酸蝕歯が著しく進むということが指摘されています。

実際にコーラを使った実験で飲用後、歯磨きまでの時間経過が短ければ短いほどエナメル質の消失量が増加するということが確認されていますのです。

そのため、お食事後すぐに歯磨きをすることは避け、食後ある程度時間をおいてから歯磨きを行うべきであるという考え方があります。

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トゥースウェアの怖さ、その予防法を広めたい

トゥースウェア

このようにトゥースウェアは非常に恐ろしい病気で進行すると歯の喪失にも繋がります。虫歯、歯周病についで第3の歯科疾患と言われるほどなのです。しかもその原因は様々で病態も一定ではないため、気づきにくいですし、進行したトゥースウェアを治療することも大変です。ですから、皆様におかれましても、まずその原因を正しく知っていただき、正しい知識をもって予防することを意識していただけましたら幸いです。